今週のお題「本棚の中身」
このテーマでブログを書くという、はてなブログの企画があったので参加してみることにしました。
数えてみたら家に本棚は7台ありました。
その中のほんの一部分だけ紹介いたします。
※今回は時空覇王伝に関係ない記事になります。
ドストエフスキー「罪と罰」
大学生の時に「カラマーゾフの兄弟」を読み解くという講義を受講したことがドストエフスキーとの出会いです。
「カラマーゾフの兄弟」は退屈と格闘しながら必死に読破しましたが、何が書かれていたか講義の内容も含めて全く覚えていません。
いつか再挑戦したいな~と思いながら本棚に眠っています。
「罪と罰」を読んだのは社会人になってから。
「カラマーゾフの兄弟」よりずっと読みやすく面白かったです。
ロシア文学はとにかく人物の名前が憶えづらいのですが、光文社文庫は登場人物を紹介した栞が付いているので非常に読み進める手助けになりました。
「極貧」ということについての描写の異様なまでの細かさ。みじめさ、情けなさ、そういった陰鬱な雰囲気に惹き込まれます。
家族を養うために娼婦にさせられた娘。
その一方で父親は、役人の仕事に再就職するも最初の給料を受け取った途端失踪。
物語はその父親と主人公が出会うところから始まります。
(その時点で既に給料は服と酒に消えていました)
主人公は「選ばれし人間は道徳に反する行動を行っても良い」という思想の持ち主。
悪徳高利貸の老婆とその義妹を殺してしまいますが、殺害の理由は金銭ではなく、自分が『選ばれし人間』かどうか証明するためだったと語ります。
S・ツヴァイク「マリー・アントワネット」
マリー・アントワネットの伝記ですが、小説のように面白く読むことができます。
ツヴァイクの本は傑作揃いです。
また、ツヴァイクの「マリー・アントワネット」の訳者、中野京子さんの本も面白いです。代表作は「怖い絵」、個人的に一番好きなのは「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」です。
エッカーマン「ゲーテとの対話」
読んだのは社会人になってからで、うろ覚えなのですが「世界に最も影響を与えた100冊」みたいなのに選ばれたのを知ったのが、この本を手に取ったきっかけだったと思います。
著者のエッカーマンはゲーテに弟子入りし、ゲーテの詩の仕事の手伝いをしていました。
その中でゲーテから聞いた話や、議論した内容について日記形式でまとめた本になります。
エッカーマンはゲーテとの対話の内容を非常に細かく正確に記録しています。
「今日はゲーテとこんなことを語り合った」「ゲーテはこのようなすばらしい偉業に挑戦している」といった対話内容や行動記録が延々と綴られています。
読みにくい文章というわけではないですが、小説のような物語の起伏があったりするわけではないので正直かなり退屈です。
しかしながら、ゲーテの言葉一つひとつには深みがあり、何度も読み返すたびに新しい発見があります。
ゲーテは物事を常に複雑にとらえ、単純に良い悪いでは語れないという価値観を持っていました。
さらに詩に限らず自然科学や芸術など様々な分野に関心を持ち、「色彩論」なども執筆しました(ニュートンに異を唱えるものだったため、世間からはあまり評価されませんでした)。
はじめの頃のエッカーマンはただゲーテから感銘を受けるだけでしたが、時には「色彩論」に異を唱えるなど、年月が経つにつれてエッカーマンの行動にも変化がみられるようになります。
ちなみにゲーテはエッカーマンに反論されると、ふてくされて機嫌を損ねてしまいました。
マックスヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
ラノベみたいに長い名前のタイトルですね。
この本は私が大学生の時にたまたま大学生協で見つけました。
難しすぎてほとんど理解できずに挫折しました。
後から知ったことですが、この本はカルヴァン派の基本思想や当時のユダヤ教徒への一般認識が分かっていないとちんぷんかんぷんになる、つまりは予備知識が必要な本だったのです。
その後、社会人になってから解説本を手に取り、少しずつ読み解いています。
私がこれまで読んだ解説書で最も分かりやすかったのは橋本努 著「解説 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」(講談社選書メチエ)です。