日本の統治が崩壊とも言える状況にまで陥った理由とは?
白井 聡 著「長期腐敗体制」を読みました。
2012年から続く自公連立政権による統治は決して褒められたものではなく、むしろ統治の崩壊と呼べるほどのひどい水準にあるのに、なぜ国民は拒否してこなかったのか?
その最大の理由は国民の無知で、「他に良さそうなものがないから」という程度の認識で、現体制がだらしなく肯定されてきたからだと著者は言います。
エリートがしっかりすれば国はうまくいく、官僚機構の中枢部さえしっかりしていれば国をまた立て直せるという考えは甘い。
エリートがしっかりしていることと国全体がうまくいっているかどうかというのは別問題で、それはロシアなどを見ていても分かります。
なぜ今日の日本が、統治の崩壊と言うべき状況にまで陥ってしまったのかを、社会全体の問題として国民が考えなければいけないというのが著者の主張です。
日本の政権は不正で、無能で、腐敗している
政治における悪徳は3つあり、それは不正、無能、腐敗だと言います。
この3つは混同しがちですがあくまで別物で、例えば不正で無能ではあるけれど、純粋に信念をもって政治理念を追求しており腐敗はしていない政権というものが考えられます。
また中国のように有能ではあるが不正で腐敗している政権、というのもあります。
日本の政権は残念ながらどの面でもダメで、不正で、無能で、腐敗しています。
日本の統治の崩壊という現実を知るための本
本書は、なぜ日本の政治がここまで低迷、転落してしまったかについて詳細に分析しています。
ただし、それではどうすれば良いか?という指針についてまでは踏み込んでいません。
とりあえず私たちにできることは、現実を直視することと、なるべく多くの人に呼びかけていくことだという言説にとどまってます。
全体的に安倍政権叩きが目立ち過ぎてしまっている印象はありますが、日本の統治の崩壊がなぜここまで深刻化してしまったか、その現実を知るための本になります。