一気にわかる世界史
ブログ「そういちコラム」管理人のそういちさんが上梓された本です。
ターゲットは世界史が苦手な大人?
この本のメインターゲットとなる読者層は、おそらく世界史が苦手な大人だと思われます。
一般的な世界史の本は、いわゆる「入門書」と呼ばれるものでも、細かい年号や人物名が大量に羅列されていて、世界史に詳しくない人にとってはなかなか読みにくいものが多いです。
しかし「一気に分かる世界史」は、各時代の中心となる大国に焦点を当てて、世界史の大きな流れを追っていくという内容になっています。
(各地域のおおまかな位置関係を理解するための「カンタン世界地図」を私も描いてみました。)
「繁栄の移り変わり」という視点で世界史を追う
「世界のなかでの繁栄の中心は、時代とともに移り変わる」というのが、この本のテーマです。
時代とともに移り変わる「繁栄の中心」を順番に追いかけることで、従来の世界史の教科書のように話があっちへ行ったりこっちへ行ったりせず、一本の線をたどることができると著者は述べています。
さらに時代が経つと繁栄の中心は、その場所の周辺(=となり)に移っていく。
そういった視点で世界史を辿っていき、後半では世界史を通して現代を考えていくという内容になっています。
氷山の一角
本書は5000年の世界の歴史という大きなテーマを扱っているにも関わらず、2~3時間ほどで読めてしまうくらい、スッキリと要点がまとめられています。
さらに読み物としても面白く、夢中になって一気に読むことができます。
入門書だからといって、内容が物足りないとか薄っぺらいとか、そんなことはありません。
この本は、大量の文献や専門書に裏打ちされた深い内容であるにも関わらず、世界史に詳しくない人にも伝わるよう要点をに絞った「氷山の一角」であることが理解できます。
歴史には詳しくない読者をおもな対象としているので、「シンプルにわかりやすく書く」ことが、私の文章では大事です。また、無名で権威のない著者なので、わかりやすく書かないと読んでもらえません。
そして「シンプルにわかりやすく」だけではなく、「正確に、深く」ということも必要です。そうでないと、読者に価値を提供できない。
そのためには、そのテーマについて現代の学者たちの本を(読みにくい本でも)しっかり読んで、理解する。自分をごまかさず、ほんとうに「わかる」ように、それをめざして読む。必要に応じて細かいこともインプットする。
そういちコラム「今日の名言 ヘミングウェイ 「氷山の一角」で伝える」より
この本に出会ったのは「歴史」と「ブログ」に興味があったから
私のブログは時空覇王伝の攻略ブログですが、最近はゲームに関係ない記事(主に読書のこと)も書いています。
時空覇王伝は歴史上の偉人が多く登場するゲームなので、英雄カードの性能について紹介するときは、余裕があればその人物について本を軽く読み、実際の人物像やエピソードについても一緒に紹介するようにしています。
そうやって伝記などを読むうちに歴史にも興味がわいてきました。
そういちさんのブログを見つけたのは偶然で、はてなブログのトピックの「読書」の項目を眺めていたら記事が上がっていたのが目についたからでした。
そしてブログ経由で「一気に分かる世界史」のことを知りました。